リア充しかいない第一期創作の話


解説欄纏め

つけた曲はボツ曲が多いのであんまり明るくはないです~。
(リア充と合わせていいバランス取れてると思う)
よし完結したので追記しよう。



(動画には)リア充しかいません……。

#目次
00:00 恋は盲目
01:57 将軍の憂鬱
04:48 その後の軍師
05:55 皇女と吟遊詩人
06:24 愛は永遠

#水の中でみる夢



目が醒めると、視たことのない調度品に囲まれていた。
焚きしめられているお香も以前いた場所のものとは違うし
部屋の窓から差し込む日光の角度も違っていた。

眉間がじんじんと痛んだ。
鼻が詰まったような感覚もあるが、
嗅覚は失われていないようだ。

部屋の外でざわざわとした人の動き回る音がした。
遠くで聴こえる兵士の掛け声も聞き覚えがなかった。

軋む扉の音と共に、黒衣の男性が現れた。
その瞬間、悪夢だと思った。

「やあ、水葬の姫君」

その瞬間、二度と聴きたくない声だと思った。
自然と顔を顰めていたが、彼は気にしていないようだった。
玻璃の水差しから、優雅な仕草でグラスに水を注いでみせた。

「君、何したのさ。
最近見かけないなって思っていたんだ。
使いを出して探らせたら、湖に沈んでた。
いくら不死だからって、水葬は相当の罰だろう?」

誰かのプロポーズでも蹴ったの?
その声は笑いを含んでいて、更に彼女の神経を逆なでした。


#お布団で視る夢


柔らかくて、
時として暑すぎるくらいの熱を持っている生き物がいる。
人間の子どもだ。

不死の神族は代謝機能がコントロールされているので、
基礎体温が低い傾向にある。

人の子は、熱くて柔らかくて脆い。
よくこんな脆い殻で生きていけるものだなと
中央皇帝国の将軍は感心していた。

普通、城内の人間だったら彼女に馴れ馴れしくしないし
一目置いて、へりくだってくれるのが常だった。
それなのにこの子は、一緒に寝たい時に部屋に飛んできて
布団に潜り込む。ネコ科の動物に似ているな、と思った。

彼女の親は、村が壊滅して行方不明だし、恐らくは量子魔法で跡形もなく...。
考えると憂鬱だった。カイル王が斃れてからも、戦争は終わらなかった。

こんなに小さくても、
彼女は有能な魔法使いで戦線から外せないのも頭痛の種だった。
遊ぶ約束をしているが、果たせていない。

あどけない寝顔をつつこうとしたら、
大きく寝返りを打った少女の足に腹部をしたたか打たれる将軍だった。
誰かの一撃を食らったのは久しぶりで、柄にもなくドキドキした。


#妄執の中でみた夢



彼は元々、静けさの中に虎視眈々と反逆を狙うのが常な男で
気の置けない城内での生活を通じて、その性質を育んでいった。
気を抜けば命を落とす、肉親が一番信用ならなかった。

だから、世界を統括する巫女姫の国への婿入り話が出た時、
周囲はていのいい厄介払いであり、
彼の結婚の利得を貪る算段しかなかったのだが
それは彼にとって好都合な婚姻交渉だった。

並みいる求婚者たちを抑えて巫女姫に取り入るにはどうしたらいいか。
女に従うなど、男のメンツにも関わるから、結婚前に彼女を篭絡してしまえばいい。
彼は、彼女に気に入られ、また彼女が従ってくれるような男性像を演じることに
心を砕いた。

実際、初めてこっそり会いに行った時の彼女は、
足取りがふわふわしていて、頭もそんなに良くなさそうに見えた。
ただ、彼を見る金の眼が、時折強い意思を湛えた光を宿すことがあり、
何故か彼は何度も、彼女を前におじけづいた。

人間なのに神族の覚えめでたく、天界の翼を使える彼女に嫉妬もした。
そして何より、自分と同じ金の眼を持つ彼女は...
彼女は。

城内で彼の唯一の味方だった、
生前の母の面影を見た彼はその幻像を振り払った。

事は恙なく進み、名誉も世界の権力も彼の目前にあった。

しかし、悪事というものはうまくいかないもので、
巫女姫の仕事を邪魔するために作った、
邪悪な妖精の祭壇のからくりに気づいた各国がのろしをあげた。

もちろん七大陸のうち、彼の国に協力してくれる国は複数あった。
手始めに彼が行ったのは、邪魔な親族の抹殺だった。
最初からこうしていればよかった、彼女を騙すなんて回りくどいことをしないで。

でも彼がそれをできたのは、巫女姫を裏切ったことで気が大きくなったからで
彼はそのことに気づいていなかった。

何度か攻撃を受けて崩れ落ちそうな城の玉座で、彼はいつも夢想していた。
金の瞳と白い翼を持つ彼女の事を。

罪悪感はこれぽっちも感じなかった。
ただ彼女は、常に彼の目の前でほほ笑んでいた。
それは彼が衰弱して命を全うするまで続いた。


#妖精王の見る夢



その少女の事は生まれた時から知っていた。
不思議の存在たちと会話できる姫巫女に彼女は育っていった。

一度恋心を告白したら、笑顔で断られた。
彼女は人と不思議の存在は一緒にいてはいけないと教わってきたようだった。

彼女が成長して、縁談話がでた時、一目で駄目だろうと分かった。

しかし彼女は、周りの経験豊富な神族の言葉も、
妖精王の彼の言葉も耳に届かないようで
いつもうっとりとした瞳で朝日を視ていた。

それを見て笑ってしまったのは、
人間らしくていい、という理由からだった。

人間というのは私たちと一緒で、欲望や愛を持ち
私たちよりも愚かだか強くて儚い、一瞬の生を持っている。

妖精王は益々彼女を愛し、
彼女の命を奪った妖精に褒美を与え、
妖精の馬に乗って彼女の魂に逢いに行くのだった。

(完)

#脚注

・妖精は人と同じくエゴと愛と欲望を持ちます。
・突然の第一期創作に、A美容姿のキャラが複数いるの面白いwサポありがと!
・神が人に篭絡される話でもあるね。
・一組だけ、リア充というよりは未来への因縁を繋げる兄弟がいることに気づいただろうかw?
(皇女と吟遊詩人)
・三つ編みマスター・ミラちゃん。色んな神族のヘアアレンジをしたらしい。


#歌詞


[Verse]
菫の瞳 夜を裂く
双子の運命 星が描く
一人は愛を 一人は力を
選ぶ道 交わらないまま
[Prechorus]
剣が歌う 命の詩
魔法が踊る 風の中に
[Chorus]
剣と魔法の物語
愛と力が織りなす奇跡
金の瞳が未来を照らし
子孫の絆 永遠に続く
[Verse 2]
麗人の微笑み 鏡のように
映す運命 混ざる神性
愛は炎となり 力は嵐となり
絡む糸 解けない謎
[Bridge]
星たちが囁く 秘密の調べ
菫の瞳 金の光
一つの空に 交わる夢
[Chorus]
剣と魔法の物語
愛と力が織りなす奇跡
金の瞳が未来を照らし
子孫の絆 永遠に続く


#ここから数千年



何故、自分がジャガイモが好きなのを知っているのか、
不思議に思い、彼に尋ねてみた。

「君の事なら何でも知っている」

美しい軍師はどや顔でそう話したが、正直気持ち悪かった。

「ストカって呼びたいならそうしてくれていいよ」

更に悟った顔で話す彼の横面を殴りたくなった。気持ち悪い。

「気持ち悪いのでお前に従う気はない。処分は任せる」

熱いスープに口をつけず俯いたまま告げると、元敵国の軍師は肩を竦めた。

「処分だなんて!そんな!!」

君が望むか望まないと関わらず、僕は自由にしてもらって構わない。
湖底から拾って来た人だし、敵に属していたというのであれば、
君にぴったりな英雄譚を吟遊詩人に作らせよう。

愛が敵意を超えたとか、
正義感から暴君を手放そうとして、水に沈められたとか、
思い悩む末に、敵国を選んで協力するまでの道筋を。

情報なんていくらでも操作できる。
だから、安心してほしい。
僕は君を水に沈めたりしないし、無理強いもしない。
だから、僕と...。

自然な動作で、彼女との間合いを詰めようとする軍師だった。
彼女は元敵国の軍師の頬を遠慮なくひっぱたいた。

「私が何で水に沈めれたのか聞きたくはないか」

軍師は軍師で、じんじんする片頬を手で押さえながら答えた。

「聞きたいね。僕のお姫さま」


#なるほどねの話



以前仕えていた王が亡くなってから数十年経っていたので
旅に出ようと思った。昔は主君が亡くなれば、任を解かれて
いつでも所属していた国の城に戻れる契約になっていた。
いわゆる出入り自由という制度である。

しかし彼女の所属していた国は、日陰が多い土地柄なせいか
陰鬱な気質の官吏が多く、彼女が国を出ることを許さなかった。

また、神性をもつ官吏たちも彼女には
一目置いており、頼り切りな面も多かった。

それでは契約違反だろう。

至極真っ当な事を言ったつもりだったが、
彼女が他国に秘密を漏らすことを恐れた官吏たちによって
策にはめられ、水に沈められたという経緯だった。

「なるほどね。君、真っすぐすぎるから」
うんうんと納得する風情で、
すかさず彼女のベッドに腰かける軍師だった。
勿論彼女の警戒を解くために、グラスは手放さなかった。
彼女は彼女で、いつでも彼を平手打ちできるように、
腰の近くに置いた右手をグーにして待機した。

この際言っておくが、グーパンチは平手打ちではない。
気持ちとしては平手打ちだった。それだけだ。

「それで」
振り向きざま、彼女により顔を近づけようとした軍師だったが、
何故か背後から後頭部を、ハエ叩きで華麗に叩かれた。
犯人は、いつのまにか部屋を訪れていた彼の双子の妹だった。

「昼間から何やってんだよ」
「ハエとか僕の頭についたらどうするの!?」

兄の苦情は無視して、保護観察中の元敵国の剣士に
向きなおる将軍だった。

「暫く、ここで潜ってればいい。おかしな挙動があれば処分する」


#それから数千年



初夏のうららかな昼下がり、女王と吟遊詩人の秘密裡の結婚式が
執り行われた。参列者は事情を知る一部の神族と血縁者のみだった。
久しぶりに里帰りもかねて駆けつけてくれた旧将軍もいた。
伴侶も有休を取ってきたとかで、ザインの空気を楽しんでいた。

それから数か月後、
国民の前で女王の演説が行われた。
定例としては月一だったのが、五か月ほど姿を見せなかったので
女王の生死について、国民の間で噂が立ったほどだ。

久しぶりに姿を見せた女王の姿に、国民たちは息をのんだ。

「やあ君たち!妖精が面白い悪戯をしてくれたよ!
処女王の僕に子を授けてくれた!!」

大きくなったお腹を両手で包みながら豪快に宣言する女王だった。
一瞬の静けさの後に、群衆がどよめき、やがてそれは笑い声に変わった。

しれっとしてやがる。
誰しもそう思ったが、口には出さず、女王の懐妊を祝福するのだった。

(完)

微妙に字幕が増えてる本編










 

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