第三期創作・親世代『可哀そうな佐藤の話』

 


第四期の佐藤はリア充でよかったですね!!!
第三期の佐藤が詰んでいた時の話まとめ。

まとめ直してみた親世代の話。


00:00 佐藤インスト


#タカコとシンヤ

シンヤとの付き合いが長くなるにつれて、タカコはシンヤの秘密を知っていった。
相当長い事転生を繰り返している魂であること、最初は動物だったこと。
そして今回は、正式な転生手順を踏まずに、急にこの時代に現れた事などだった。
シンヤは深く語らないが、話の端々に出てくる人物の事も理解しだしていた。
シンヤが恩を返すべく仕える相手であり、
動物で言えば飼い主に相当するくらいの相手であるということ。

ある時、シンヤが見せてくれた過去の生命のイメージが、タカコの心をえぐった。
死亡しても10秒で蘇生できるこの世界では、生死のインパクトが薄い。
太古の生命の流転はおぞましく尚且つ狂暴な美しさを持つものだった。

思わずシンヤの手を振り払って、ギルドのパウダールームに駆け込んだ。
吐ききるものがないくらいになった時には、脱水なのか眩暈が酷かった。
扉を開けるとそこにいたのはシンヤではなく、佐藤だった。
その時ばかりは、肩を借りて医務室へ連れて行ってもらった。

夕暮れの光が差し込む部屋で目を覚ますと、佐藤はまだ傍にいた。
「今日のイベントは休んだ方いいと思う」
佐藤は、読んでいた本から目を離して、チラッとタカコを見てから言い、
再び本に視線を落とした。
「深夜は…?」
「寝てる」
手助けしてもお礼一つ言わないタカコの事など、
まったく気にしてない風情の佐藤だった。
「僕の計算が確かなら…」
言いかけて、何故か佐藤はやめた。
「最近、シンヤさん、寝すぎだと思わない?」
「?」
それだけ言うと、佐藤は本を携えて、医務室から出て行った。

#深夜と音霧

ある時は灰色の大きな狼だったし、或る時は立派な牡鹿だったし、或る時は狸だった。
子育てしてから息を引き取った。自分で作った狩人の墓の傍で。
流れ星の夜、消えていく意識の影で考えていた。

『人は何で必要以上の狩りをするんだろう。森に呪われてもやってくる。その理由を知りたい』
『何か犠牲にしても構わない、人になって、あの人にもう一度会ってみたい。恩返しがしたい』
『彼は私が子供だったから助けてくれた。唯一の善行を施した。
これからも森に呪われ続ける彼の支えになりたい…』

息を引き取る時、西一帯を覆う昏い森の中で狸は呟いた。

「うちい、狩られる側から、狩る方のひとになってみたいわあ…」

#タカコとシンヤ

神様もそんなに意地悪ではなかったようで、シンヤは人間に生まれ変わることができた。
彼は目を失っている事が多かったし、彼女は言葉を失っていた。話せるのは彼だけだった。
あの時、もっと神様に我儘を言えばよかったと思った事もあるが、これでよかったのだ。
いつも二人で一人、恋愛なんて生易しい概念などとうに超えて、手を引きあって生きてきた。

(ああ、もううち十分。でも、まだ果たせてないことがひとつだけある)
(私が森の意識に戻る前に、あの人の呪いを解かないと)

それには、増やす必要があった、命を取った分、増やして恩を天に返す必要がある。

いつも半覚醒のまま、やるべきことを彼に伝えられずにいた。
きっとこの人生なら、果たせるはずだ。

そんな最後の人生でタカコに出会ってしまった。
最後くらい、我儘をいわせてほしい。好きに生きたいと、なぜか思ってしまった。
先にやるべきことを彼に伝え、彼を自分から迎えに行き、名前を告げた。
それはシンヤにとって、生まれて初めての大きな賭けだった。

『タカコは、うちの事、女くさいって怒ったけど、タカコやって女やん』
しばらくの家出(ギルドから行方不明)のあと、
初めて出会った霊虚ゲートにしゃがみ込んでジト目で話してかけてくる
シンヤの姿を見つけたタカコは、どっと肩の力が抜けた。
「だってしょうがないだろう?面白くないんだよ!!」
それを聞いたシンヤは、声に出さず、ニヤッと笑った。
タカコが奥歯を噛みしめながら、シンヤにピーナッツの袋を投げつけた。

人を好きになることが、綺麗ごとばかりでないなら、
もう二度とこんな想いはしなくていい、心底そう思うタカコだった。

#佐藤と家鈴

子どものころから、お金があるとか、容姿が綺麗とか、そういうことの差がわからなかった。
どうでもよかった。ただ、周囲を分析して、その場にあった自分を演じてきた。
今の僕は旧家の長男だから、教えられた事をしていればいい。
でもある時、家にいたメイドに、言われてハッとした。
「坊ちゃん、坊ちゃんはそれでいいんですか? 自分の意思をお持ちになった方がいいですよ!!」
当時から僕は、怒るという必要性がわからなかったから、
相当失礼な物言いをしているメイドに対して淡々と問うた。

「意思って何?」
「こうしたいとか、こうありたいとか、自分の中から湧き上がる気持ちの事です!!」
「僕そういうの、わかんないんだよ。タミさんはどうしたいの?」
「私は掃除が好きですから、メイドは天職だと思ってます!!!」

タミさんは、黒髪が似合うメイドさんだった。
僕も髪を染めたら、タミさんみたいになれるかな。
そう聞いたら、タミさんは豪快に笑って、首を振った後に、少しだけ思案顔になった。

「真似。真似もいいかもしれませんよ坊ちゃん!
そこから自分だけのものを選んでいけばいいんです!!」

なんだか、すごく悟った人だなと思った。この人と毎日話していたら、僕も変われるかな。
そう思っていた矢先、タミさんが急逝した。まだ若かったし、前の日まで元気だったのに…。
あとで知ったけど、タミさんはもうだいぶ長く生きている人で、寿命を迎えたんだそうだ。
僕は茫然として、何かやることを探した。家を出たくなった。戦闘には興味がないけど
タミさんがいない家にいても仕方ない。

ギルドには簡単にはいれて、広場でぼーっとしていたら、
古参らしき女の子がすれ違いざまに声を掛けてきた。
「あんた、そんなとこにいられると、邪魔」
女の子は友達を連れてくると、戦闘して遊びだした。
うまいな、と思いながら暇つぶしに観戦していて気づいた。
この子、黒髪だ。ふとタミさんを思い出して悲しくなった。
ああ、悲しいってこういうことなんだ、ってその時に思った。

#佐藤と家鈴

暫くして、タカコがシンヤさんをギルドに連れてきたとき、ぎょっとした。
タミさんにそっくりだった。でも、僕の知ってるタミさんはもう少し髪が長くて、
明るくてよくしゃべる人だ。あんな無口な人じゃない。
シンヤさんが、どんどんタカコと仲良くなりだしても、全然気にならなかった。

寧ろ、僕がタカコに興味を持つきっかけになった、タミさんに似ている人が、
タカコと仲良くしているのを見るのは不思議な気持ちで、
いうなれば安寧、穏やかさを感じていた。

この二人、将来は一緒になるのかな?と横目でみていれば、
何かにつけてシンヤさんと喧嘩しては、タカコは陰で泣いているし、
むしろ虫も殺さない顔してるシンヤさんに
タカコが翻弄されているのは、理解できた。

僕じゃ励ましの一つにもなりゃしなけいど、声をかけると
タカコが泣いてたのを忘れて怒るから、少しは役に立ってるんだと思っていた。

2人が完璧に道をたがえてからは、僕も何だか寂しかったし、シンヤさんのことを
ちょっと恨んだりもした。あのまま、タカコとずっと一緒にいてほしかった。
話せるようになってからのシンヤさんは、一層人付き合いが増えて、あっというまに
その中の一人と結婚した。あんなに喋る人だと思わなかった。

タカコは何か吹っ切れたように、戦いばっかりやってるし、特に問題はなさそうにみえた。
ああ見えて口は悪いけどタカコは面倒見がよくて優しいし、プライドが高い処も好きだ。
ああ、好きってこういうことか、ってその時思った。

#佐藤と家鈴

僕の家のことがタカコにばれた時、偉い剣幕で怒鳴ってくるのが不思議だった。
「なんでそんなに怒るのさ」って聞いたら、
「家同士が昔から仲悪いんだから、今後、面倒なことになるだろ」って、顔を顰めていた。

「そんなこと、実家が決めることじゃないでしょ。
タカコと仲良くするなって言われたら、僕、家と縁を切るよ」

そう言ったら、タカコがびっくりした顔をして、
ちょっとしてから何故か顔が赤くなっていた。

熱があるなら薬でも飲んで寝なよってアドバイスしたら、
何故かその時は殴られなかった。

数年経って、そろそろ転職しようかって話をタカコとしていた。
前から考えていたことをやりたいなって思って、
今は亡きタミさんの言葉を思い出したので、タカコに自分のやりたいことを伝えてみた。
「君にフラッシュモブで、ドッキリプロポーズやりたいんだけど、やったら怒る?」
そしたら、タカコが飲んでたレモンスカッシュのタンブラーを盛大に机から放り落して、
何故か僕が怒られていた。いい計画だと思ったんだけどな。
人生や人付き合いって、難しいなって思った。

#タカコとシンヤ

佐藤が前にチラッと言いかけてやめたことの意味がわかってきた。
シンヤがずっと寝てる。偶に起きても、顔を見てくるくらいで前より話さなくなった。
もしかしたら、私の頭の中に話しかけるのって、かなり体力を使うんじゃないだろうか?
以前もそんなことを話していたし、何かできることはないか聞いたら首を横に振った。
『うちのために、いいこと願わんでええよ。絶対ダメ』
手を繋いだら、倉庫の床でまたシンヤは、こんこんと眠りだした。

珍しく起きる元気のあったシンヤと蛍川の草原で、満月を観ていた。
シンヤ曰く、流れ星が苦手なので、流れ星が絶対に流れない満月の日がいいって。
でもその日に限って、天体予報が外れた。地平線まで見渡せる蛍川の広い空に、
幾重、何百っていう星の軌跡が描かれていて綺麗だった。

シンヤが急に体を起こして、夜空を見上げていた。その表情は、絶望そのもので、
その瞬間閃いた。わかったって言ったら、シンヤがこっちに向かって強く首を振った。

わかった。何を願えばいいかわかった。

「…シンヤが、皆と話せるようになりますように」

そうだ、それがいい。誰かひとりとしか話せないなんて勿体ない。
あんなに綺麗な声で話すシンヤのことを、皆が知らないのは狡い。
ちゃんと空気を震わせて、話せよ、私とも話してよ。

やり遂げた気持ちでシンヤに笑いかけようとしたのに、反射的に手が鈴を振っていた。

シンヤがとびかかってきたからだ。
私の鈴を避けて、宙がえりをしたシンヤが地面に着地した。
その姿はまるで、四つ足の獣みたい。
ちょっとおかしく感じて、笑ったら、シンヤが泣きだした。
「タカコ…」
初めて私に向かって喉を震わせて喋り、
泣き声を響かせているシンヤを見て、私は漸く満足した。

「ざまあみろ。何か犠牲にしてまで一緒にいてもらっても嬉しくないんだよ」

シンヤが泣き止まないので、いつものように足を投げ出して、
「ほら、膝枕」って声をかけたら、
またシンヤが泣いた。ざまあみろ。

それから私たちは、ずっと友達だった。

#佐藤と家鈴

一体何が悪かったのかなんて、僕に聞かれても未だに分からないし
ただ、お互いのデータを転送したあとで来てくれた子は、可愛かったし、
僕とタカコの実家には及ばなくても、何不自由ない生活くらいはさせたいなって。
そう思っただけなんだ本当に。

上に上に上がっていくためには、見た目や肩書って重要になってくるし
外の仕事ってそんなに甘いものじゃない。守り抜いて切り開くゲームだ。
数字は正直だし、正直人間なんかより全然簡単だ。
家の事は奥さんに任せて僕は仕事に没頭した。

そんなこと続けてたら、アヤメさんは口きいてくれなくなるし
タカコも黙ってることが多くて、アヤメさんが留学中に、ついに襤褸が出た。
なんとなく予感はあった。数日前に夢を見て、黒帝とも違う女神に色々言われた。

だから、夫婦喧嘩の時に、タカコが自分から射程に飛び込んできたとき、やっと目が醒めたし、冷や汗かいたよ。
ほんとに焦った。
(完)

あんまりにも結婚後の佐藤が
ボタン掛け違いすぎて
可哀そうで笑ってしまう。



どっちも動画解説に同じ文章がついてます
(動画見ながら読める)

関連動画


タカコとシンヤの話は相当書いたので充足してるんだけど、
ほんとなんもないんすよって話。(って全力で言いたかったあの頃)


00:00 冒頭

関連動画
   • 第3期創作の、可哀想な佐藤の話(解説に昔の話)  

#流れ


森でタカコが、深夜を拾う。
→ギルド使者だったのでギルドに誘う。


→いつの間にか拾った子が、
夜行性なのと、わ!しか話さないから
和ちゃんとかシンヤって
呼ばれるようになる。


→タカコからしかピーナッツ食べない、
「わ」しか喋らないし、
ギルドで寝泊りしてるので
周りから珍獣扱いされ始める。


→シンヤがギルドのマスコットに
なったあたりで、
オトギリが仲間とギルド旅に来る。


→この間に、タカコが大親友お願いする。
そしたら今迄喋らなかったシンヤが
頭の中に語り掛けてきて、
タカコあっさりフラれる。


→タカコが
泣いてたら「じゃあ名前つけてよ」
ってシンヤに言われる。


→珍獣って響き気に入ってるから、
同じような名前がいいって言われて
「琴子(ちんずう)」ってタカコが名前つける。

あとで判明するけど、
琴子はオトギリの前世の名前(歴史上の有名人)。
(元ネタは私の創作時代のHN)


→佐藤は「佐藤君」というHNで
ギルドに参加しており、
タカコにアタックするけど、
いつも感性がずれていて、迷惑がられてた


(タカコが隠れて泣いてると
分析とかしだすので余計に)


→昼間なのに、
シンヤがオトギリを
追いかけていくのを見て、
タカコが追いかける


→普段は頭の中に
テレパスで話しかけてくるだけの
シンヤが、
オトギリには
ぺらぺら話してるの観てショックを受ける。
→想像してた生き物とは違ってて、
実際のシンヤは
すごく女の子っぽい
ところがあると判明し、
怒ったタカコとちょっと喧嘩になる。


→実はシンヤは 
今回の人生のルートを変えるために、
自分からオトギリに
やるべきことを伝えたり、
自分から名乗ったりしにいっていただけ。


→タカコはシンヤとすごうすうちに、
だんだんと自分の独占欲や
ダメなところに気づきだしていく。


→シンヤは、
もし自分がオトギリと
添い遂げられなくても、
ずっと話せる人がいなくなっても、
代償にタカコと一緒にいる時間を
貰えると思っていた。


→流れ星を見ている時に
自分が何を願えばいいか
気づいたタカコによって、
シンヤが話せるようになる。
シンヤは激怒するが、
なんだかんだで友達のまま繋がっていく。


→それからのち、佐藤君の正体が、
タカコの家と敵対してる家だって
ことが実家バレして、
タカコに佐藤が
めっちゃ怒られる。


(もうちょっと捻った名前にしろ
とかなんとか)


→大人になると、シンヤはオトギリを、
タカコは佐藤を選んで
ペアを組むわけだけれど、

気負いすぎて情動欠如しだした
佐藤サイドのタカコは
段々と本来の自分とはかけ離れていく。


→娘からの要望で、
タカコが佐藤よりも子供の人生を選んで、
佐藤の世話を焼くのをやめた時期が有る。
その間佐藤も一人で
がんばってた時期があるらしい。


→んで、イマココ


#タイトルの「一度だけの約束」の意味

この二人、一緒にお酒飲んだ時に、
ひと暴れしちゃったらしくて
(絡まれたかなんかしたんだと思うけど)
以来「酒はやめとこう」って話になってる。
会うといつも二人で紙パックの
果物ジュース系飲んでる。
もし一緒に飲みにいくなら
死ぬ前に一回くらいはねって話。
ちなみにメインとアヤメの事は、
割と早くに気づいていて
2人で「あれ止めたら
ヤバい事起きそうだよネ」って
引いてた時期が有る。
(深夜と鷹子の話・完)


#余談

オトギリとシンヤが出会わない時は
魂がひとつになっているので、
目が見えないか、口がきけないかのどちらかになる。
神様の仕事をすることを義務付けられている。

#余談その2

タミさんは、その後、メインとして転生してるww
(音霧と深夜の娘)


#後日談

2025年に、
AAコンビの計略に引っかかり
シンヤ丸ごと持っていかれました。
まあその話は今度書こうっと。

#この歌詞の歌作った時点で詰んでた

と,思う。

[Verse]
おだやかな夜に月が照らす
君の影がそっと揺れていた
言葉はなくても感じていた
この瞬間が永遠じゃないこと

[Verse 2]
触れるたびに心が震えて
君の温もり忘れたくない
一度だけの約束の中で
愛が溢れて止まらないよ

[Chorus]
抱きしめたこの手を離せない
胸の奥響く君の声
たとえこれが最後だとしても
切ないほどに愛してる

[Bridge]
星空を見つめ願ったんだ
時間がここで止まればいいと
だけど時は無情に進んで
君のいない未来が来る

[Verse 3]
はかない夢が消えゆく前に
君の全てを心に刻む
一度だけのその約束さえ
今は幸せと感じている

[Chorus]
抱きしめたこの手を離せない
胸の奥響く君の声
たとえこれが最後だとしても
切ないほどに愛してる

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